最近、職場でもちらほら男性社員が”育児休暇”、いわゆる育休を取得するというシーンを見かけるようになってきた気がします。
よくネットメディアなどでも、育児休暇の取得率については取り沙汰されますが、取得期間については、あまり触れられていないように感じます。
育休の取得率が上がっていたとしても、取得日数がほんのわずかな日数だと、本来の目的である、育児への参加であったり、パートナーの負担軽減などには貢献できていないのではないでしょうか?
そこで今回は男性の育児休暇の平均的な取得期間について調べてみました。
また、先進国である欧州の国々と現在の日本を比較して見ていきたいと思います。
男性の育児休業取得率(2020年)を厚生労働省が発表
まずは育児休暇の取得率について調べてみました。(令和2年度雇用均等基本調査|厚生労働省)
今回調査した国々の情報は、調査時期、報告時期などが違うため、単純に比較して考えることはできませんが、ご参考までにご覧いただければと思います。
日本(2020年)
日本の育児休業取得率は12.7%と、一見少なく見えますが、実はこれ前年より5.17%も上がっています。むしろ、今回初めて取得率が1割を超えたことは喜ばしいことですね。
スウェーデン(2021年)
スウェーデンの育児休業取得率はなんと90%を超えています。
日本のママ達よりも高い割合なので驚きです。
ノルウェー(2014年)
ノルウェーも、スウェーデンと同様に89%とほぼ9割のパパが育休を取得されているようです。
アメリカ
アメリカでは、育児休業に特化された休業と言うものがなく、多くは「家族及び医療休暇法」という制度を利用しているようです。
気になる方はぜひ調べてみてください!
家族との時間をとても大切にしている印象のある欧米人ですが、個人的にはこのような制度があることに驚きでした。
男性の育休取得期間の平均
前項では、育休の取得率が見えてきましたが、今回は取得率ではなく、取得期間を見ていきましょう。
日本の場合
日本での育休取得期間は、筆者が想像していた通りの結果でした。
5日未満が56.9%という状況で過半数を超えております。
十分に育休を取得できないのは、「男は仕事、女は家事・育児」という昔ながらの文化が今もなお浸透しているのが原因の1つでしょう。
先進国の場合
先進国の一例として、
ノルウェーでは育休取得期間1.5ヶ月のパパが76%ほど居ます(パパクオータ期間)
スウェーデンでは育休取得期間3ヶ月のパパがほぼ100%(義務化されているためほぼ100%という状況のようです)
制度が日本より充実しているのと、育児をするパパがかっこいいという風潮があるからでしょう。
これだけの期間があれば、産後の大変な時期を丸ごと夫婦で協力して育児することができますね。
日本では1週間が限界?なぜ?
業種によっても育休の取得期間に傾向が出るものの、業種を跨いで共通的に男性が育休をとらない、取れない、取りにくい理由が見えてきます。
それは、育休を長く取ることで、「自分の社会的地位が変わってしまうのでは?」という恐れや、「自分は会社にとってそこまで重要な人材じゃないというレッテルを貼られてしまうんじゃないか?」という不安。
また、人手不足が常態化していて、とてもでは無いがこのような状態では育休の申請なんかできる雰囲気では無い。などといった状態が多く見受けられます。
「空気を読もうよ…」
「今それどころじゃないよね」
「奥さん育休中なんだよね?」
という雰囲気を会社の上司や同僚、部下や後輩に出されると、よほど心が強くない限りは、育休の申請をあきらめてしまうというのが現状なのではないでしょうか。
まとめ
制度やルールの整備、働き方改革への取り組み、コロナ渦による人々の価値観の変容など色々な要因が考えられますが、それでも2020年には、男性の育休取得率が1割を超えました。
どの国でも育休を取得することに抵抗がある時代を乗り越えて、スウェーデンやノルウェーのような育児先進国になっていきます。
まだ現在の日本では、まだ育休を取りづらい風潮があることは、仕方ないことだと思っています。
将来、今後制度が改正され日本でもパパが積極的に育児に参加する文化が生まれるのは時間の問題だと私は予測しています。
「パパ休暇」、「パパママ育休プラス」といった制度のおかげで数回に分けて取得も可能ですのでまずは、短くても積極的に育休を取得してみるのはいかがでしょうか?
育休中は時短勤務も可能ですし、長期で取得しなければ会社にもあまり迷惑もかかりません。
【パパ休暇に関する記事】
「パパ休暇」の期間とは?いつからいつまで?
『パパ休暇』とは?育児給付金の内容と社会保険料の免除について解説
参考資料
(令和2年度雇用均等基本調査|厚生労働省)
コメント